2023年07月18日 万緑 野に在りて詠まむ命のほのほ在りて詠まむとす万緑の中にあって、人は思考能力を停止させられてしまう。そのあまりな、濃厚さに圧倒されるからである。新緑の頃は、緑をいくら重ねても翠が崩れない。だがしかし万緑の候は、緑を重ねることによってその翠は漆黒の闇に転化するのだ。言い換えれば、翠は黒になるのだ。万緑は、黒の同義語である。光の全てを吸い込んで、闇を深めてゆくのである。 万緑の光閉じ込む闇深し 荒 野人 タグ :#ひびきあふ#野人#万緑#思考能力#停止#濃厚#新緑#翠#漆黒の闇#転化
2023年04月26日 青紅葉 野に在りて詠まむ命のほのほ在りて詠まむとすこんなに綺麗な新緑は、青紅葉をもって嚆矢とする。今の時期、緑はいくら重ねても翠である。万緑になると重ねる緑は、黒き深さを持つ。これほど目に優しい緑は、今だからこそである。この季節「思い葉」と云う言葉がある。ブログを通じた友・・・会った事とてないけれど「季語さん」が教えてくれた。葉と葉が重なって、透過光がきらきらする。そんな景色を想起していただければ良い。或いはまた、愛する二人のことと拡大解釈しても良い。美しいオマージュであり、美しい言葉である。 思ひ葉の重なる翳や青紅葉 荒 野人 タグ :#ひびきあふ#野人#青紅葉#思い葉#ブログ#想起#拡大解釈#オマージュ#新緑#万緑
2022年09月05日 蒸し暑い 野に在りて詠まむ命のほのほ在りて詠まむとす蒸し暑い、のである。あと何回、この責めを耐えれば良いのか。 万緑と云うには、蒸し蒸ししすぎる。万緑には、さわやかな風が吹き渡るけれど・・・。晩夏と初秋との狭間では、蒸し暑さが募る。緑もまた、黒々と深みを増してゆくのだ。 秋の気配はするのだけれど・・・。体感温度は、湿度との勝負である。 だがしかし、ウクライナの原発を巡る状況を考えると寒さをも覚えるのだ。寒さというより、おぞましく身も凍る思いである。だが然し関東地域は、朝晩めっきりと秋らしさを増しつつある。寝易いのは、嬉しいことである。 人が踏む踏みし跡から秋気かな 荒 野人 タグ :#ひびきあふ#野人#秋気#体感温度#湿度#関東地域#朝晩#おぞましき#寝易い#万緑
2022年07月20日 巣箱 野に在りて詠まむ命のほのほ在りて詠まむとす万緑の中で、巣箱が朽ちている。鳥は、巣立っただろうか。ずっと、この巣箱を見つめ続けているけれど・・・。小鳥の姿は、一度だけ見た事がある。見続けた期間は、ほぼ8年くらい経っている。鳥がいなくても良い、風情が愉しめたのだから。 そう思っている。戻り梅雨の一日、晴間があって日傘をさして通り過ぎた。この日、ぼくは日傘デビューしたのであった。 万緑や空っぽの巣箱の朽ちて 荒 野人 タグ :#ひびきあふ#野人#油照#巣箱#日傘デビュー#戻り梅雨#万緑#風情
2022年06月06日 万緑 野に在りて詠まむ命のほのほ在りて詠まむとすこれほど名句に恵まれた季語、も無かろう。草田男の句は、入門句としては最強である。 万緑の中や吾子の歯生え初める 草田男人間探求派の俳人でありました。 万緑や踏み込まば人とは会わぬ 荒 野人 タグ :#ひびきあふ#野人#万緑#草田男#名句#季語#入門句#吾子#人間探求派#俳人